Electromagnetics and Ham Radio
Inductance9
下図(左側)を見て下さい。1つの導線の断面を16個の4節点バイリニア要素で分割しています。
銅線の半径はa=1で、中心線間はD=6としてあります。各要素にq=I/(π×a2)の分布電流を与えます(π=3.14159)。
そして、透磁率はμ0=1としました。ちなみに領域を真空と仮定した場合、μ0=1.257×10-6 [H/m]ですから、
計算結果にこの数値をかければ真の値が得られます。
磁気ベクトルポテンシャルAzの値を計算したい点ξは、領域積分の内外どこでも置くことが出来ると言いましたが、
上図(右側)の節点の上に置くことはできません。カーネル関数の値が-∞になってしまいます。
どうしても節点で計算したければ、ξの位置を節点から0.000001だけずらせば問題なくAzを計算出来ます。
半径がa=1ですから断面積は、πになります。そして電流I=+1[A]の場合、導線の単位面積当たりの電流分布は、
Jz=+1/(π×a2)=0.3183098861837907になります(π=3.14159)。
まず、積分計算をしてくれるプログラムDOMAIN.FOR用の入力データ
DOMAIN.DATを作成する必要があります。
今回はプログラムSET4.FORを実行するだけで全てのデータが作成されます。
ここで紹介する計算に必要なデータには少なくとも以下が含まれていなければなりません。
- 要素の数
- 要素毎に要素を構成する節点番号と電流分布値
- 各節点の座標値
- ξの点数
- ξ毎の座標値
上図(右側)の橙色の×点がξの点です。Azをxとyの関数として作図するには、もっと多くの点で計算する必要がありますが、
今回は、インダクタンスの計算にAzの最大値が分かれば十分ですので、上図(右側)のように、x=0の点のみを選択しました。
上図のように、要素を描画したいときはELEMENTCG.DAT
をエクセルに読み込ませれば得られます。
データが出来たら、DOMAIN.FORを実行します。指定した点ξのAz(ξ)の計算結果は、
INTERNAL.SOLに入っています。
また、Az(ξ)の最大値と最小値は、
DIFFEREN.CEP
で得られます。
最大値として0.35826383197108935が得られました。
したがって、A・tの線積分結果のμ0=1の磁束Φとして、最大値の2倍ですからΦ=0.7165276639421783が
得られたことになります。
すると、単位長さあたりの自己インダクタンスは、領域が真空の場合、以下になります。
\begin{eqnarray}
L=\frac{\mu_0\phi}{I}=\frac{1.257\times{10}^{-6}\times0.7165276639421783}{1}=0.901[\mu H/m]
\end{eqnarray}
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