Electromagnetics and Ham Radio
Characteristic Impedance

■無損失の場合の特性インピーダンス■

特性インピーダンス(characteristic impedance)とは、分布定数回路での概念で、その回路を伝搬する電圧と電流または電界と磁界の比となっています。 平行二線や同軸ケーブル等の伝送線路には、電流による磁界そして電位差による電界が発生し、 磁界から回路と交差する磁束つまりインダクタンス(L)、電界から二線間によるキャパシタンス(C)が分布しています。 インダクタンスは直列、キャパシタンスは並列に分布しています。 さらに、平行二線には抵抗成分(R)が直列に、誘電体のコンダクタンス(G)が並列に分布しています。 これらR,L,C,Gの分布定数をベースに電圧と電流の微分方程式を電信方程式といい、この式を展開して行くと特性インピーダンスの逆数が定数として導かれています。 その特性インピーダンスZ0は次式で表され、周波数の関数になっています。

\begin{eqnarray} Z_0=\sqrt{\frac{R+j\omega L}{G+j\omega C} } \end{eqnarray}

さらに、伝送線路が無損失、すなわち R=0、G=0 の条件では、以下のようになり周波数に無関係な定数となってしまいました。

\begin{eqnarray} Z_0=\sqrt{\frac{L}{C} } \end{eqnarray}

以上がネットおよび書物を特性インピーダンスについて調査したことにより得られた内容です。 とにかくここでは境界要素法、有限要素法、および実験で得られた関数fiを上式に代入し特性インピーダンスを算出してみたいと思います。 冒頭で紹介した1:4の電流バランでは、導線の半径がa=0.6mm、導線間の間隔がGAP=約0.45mmでした。この場合D/a=2.75になります。 バランの特性インピーダンスは√(50×200)=100Ωですので、上の式でZ0=100Ωの場合D/a=2.75に近い値を出してくれる関数fiが 理論と実験を満足してくれていると考えられます。詳細についてはバランのページで紹介します。

■平行二線の特性インピーダンスの近似式■

これまでに正電荷と直流電流によるキャパシタンスとインダクタンスの計算方法と近似式を紹介してきました。 そこで、これらの結果を使って特性インピーダンスの近似式を作ってみます。 まず今回電流電荷を導線に等分布させた境界要素法、一定の磁気ベクトルポテンシャルおよび電位を導線の表面に与えた場合、 それと電流電荷を導線の中心に集中させた時に得られた関数式を下にまとめてみました。


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