固有ベクトルもプロットしてみます。見ての通り、固有値は両端自由と同じでも固有ベクトルはまったく違います。
■低減精度積分■
例題での固有値計算ですが、最初のケースを除き全て2次要素で計算しました。1次要素で計算するとShear Lockingのため思うようにBeamが曲がってくれません。こんな時に役立つのが低減精度積分です。これまでに、
2次元ソリッド
と
3次元ソリッド
のところで低減精度積分について触れてきました。少し復習してみましょう。まず、
2次元のこのページ
と
3次元のこのページ
にあるグラフを見て下さい。
グラフの横軸は要素のアスペクト比、縦軸は2点積分法の無次元座標値です。
になっています。Gauss-Legendre法だと、ξ=+/-0.577350269189626になっています。グラフでの最大値はξ=+/-0.5216です。ですからどんなに小さな要素を使っても1次要素では0.5216以上の座標値は使えないということです。
ところが市販のソフトでは、せん断応力の項のみに積分点を1つ少なくするという方法を取っています。これだと積分の拘束が1つ少なくなるため振動が計算結果に侵入してきます。この振動をHourglassと呼んでいます。問題を作っているようなものです。また、この方法だとShear Lockingがどれくらい緩和されたかが不明です。 ということで、このサイトではHourglassを避けるため全ての項にフル積分を用いたFree Selection法を紹介してきました。この方法だとHourglassの振動が無いため正しい固有値解析できます。また、この方法だと要素のアスペクト比に適したShear Lockingのコントロールを行うことが出来ます。
では早速、無次元座標ξを変えながら固有振動数を計算してみます。要素分割は、x方向*y方向*z方向=100X2X2, から 500X10X10を取り上げ、ξを変えたときの固有振動数の変化を見てみます。この場合要素のアスペクト比は分割数に関係なく一定の1です。アスペクト比が1の場合、無次元座標ξの値はグラフからξ=+/-0.46になっています。そうなのか確認してみましょう。Beamの境界条件としては片持ち梁とします。検証するモードは1次とします。
上で示した条件を要約すると以下になります。
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