■u2,q1, q3を一括計算 ■
linearelement-10の続きですが、
読者から”u2,q1, q3を同時に計算できないのですか”と言う質問をうけました。
答えは”出来ます”です。
しかし機械的に計算する上で非効率な方法と言えます。
ですから有限要素法ではuとqは別々
に計算します。
参考までにu2,q1, q3を一括で計算する方法を紹介しておきます。
■WRMの近似式とLinear Elementの近似式の違い■
WRMで紹介した近似式には、
φ0が有り境界条件のみを取り込めるようになっていました。
しかしLinear Elementで紹介した近似式にはφ0は有りませんでした。
Dirichlet境界では未知数u1またはunを使うことにより問題なく境界値を取り込むことができました。
ではNeumann境界ではどうでしょう。
WRMの近似式の場合φ0にNeumann境界の境界値を取り込み、尚且つ積分式にも境界値が存在しました。
Linear Elementの近似式にはNeumann境界の境界値は取り込めません。積分式のみに境界値が入ります。
ではLinear ElementでNeumann境界が与えられた問題を解いた場合、近似解はNeumann境界で境界値になっているのでしょうか。
答えは領域の分割数を増やすと境界値に近づくです。
領域の右端がNeumann型境界とした場合を例に取り上げます。
3つ目の積分式を見て下さい。
この代数式のL2=Δx, u3-u2=Δuとすると以下の式になります。
\begin{eqnarray}
\frac{\Delta u}{\Delta x}=q_3+\alpha^2\Delta x \left(\frac{u_2}{6}+\frac{u_3}{3}\right)
\end{eqnarray}
Δx→0のリミットをとると以下の結果になります。
\begin{eqnarray}
\frac{du}{dx}=q_3
\end{eqnarray}
つまり、領域の分割数を増やす(Δx→0)とLinear Elementの近似式はNeumann型境界の境界値に近づくことになります。