One Dimensional Finite Element Method
Linear Element-13

■u2,q1, q3を一括計算 ■
linearelement-10の続きですが、 読者から”u2,q1, q3を同時に計算できないのですか”と言う質問をうけました。 答えは”出来ます”です。 しかし機械的に計算する上で非効率な方法と言えます。 ですから有限要素法ではuとqは別々 に計算します。 参考までにu2,q1, q3を一括で計算する方法を紹介しておきます。

まず前ページで紹介した下の式を見て下さい。 そしてこの連立方程式を未知と既知の2つに別けます。 皆さんもやってみて下さいね。

ここでは未知がu2,q1, q3ですね。 そして既知がu1とu3ですね。 すると以下のようになります。

上の2つのマトリックスに数値を代入し計算すると未知が一挙に得られます。 実はこれは境界要素法的な計算手順なです。 有限要素法ではこの方法を使ったプログラムは見たことはありません。 存在していてもおかしくは有りませんが計算結果をuとqに分類する面倒な操作が必要になってくるからだと思います。 それに左辺のマトリックスが非対称になっていますので連立方程式の解法に多くのメモリーを必要とします。 更に|B1|<1になっていない可能性があります。 |B1|<1の条件を満足しないと連立方程式の計算精度を落とすことになります。 境界要素法ではこれらの悪い条件を全てクリアーしなければならないためプログラムの作成が大変複雑になっています。 とにかくこれは正しい有限要素法の手順でないので深く勉強する必要はありません。

■WRMの近似式とLinear Elementの近似式の違い■
WRMで紹介した近似式には、 φ0が有り境界条件のみを取り込めるようになっていました。 しかしLinear Elementで紹介した近似式にはφ0は有りませんでした。 Dirichlet境界では未知数u1またはunを使うことにより問題なく境界値を取り込むことができました。
ではNeumann境界ではどうでしょう。 WRMの近似式の場合φ0にNeumann境界の境界値を取り込み、尚且つ積分式にも境界値が存在しました。 Linear Elementの近似式にはNeumann境界の境界値は取り込めません。積分式のみに境界値が入ります。 ではLinear ElementでNeumann境界が与えられた問題を解いた場合、近似解はNeumann境界で境界値になっているのでしょうか。 答えは領域の分割数を増やすと境界値に近づくです。 領域の右端がNeumann型境界とした場合を例に取り上げます。 3つ目の積分式を見て下さい。 この代数式のL2=Δx, u3-u2=Δuとすると以下の式になります。 \begin{eqnarray} \frac{\Delta u}{\Delta x}=q_3+\alpha^2\Delta x \left(\frac{u_2}{6}+\frac{u_3}{3}\right) \end{eqnarray} Δx→0のリミットをとると以下の結果になります。 \begin{eqnarray} \frac{du}{dx}=q_3 \end{eqnarray} つまり、領域の分割数を増やす(Δx→0)とLinear Elementの近似式はNeumann型境界の境界値に近づくことになります。


BACK Element by Element Integration

Menu View Helm wrm Lin Element Rmrk Vari Para Non-L Wire
Internet College of Finite Element Method