微分方程式を数値的に解く有限要素法(Finite Element Method)が開発された時期は、1950年代の後半ごろで、 弾性力学に応用したTurner, Clought, Martin, ans Topp(1956)が最初だとされています。 しかし、実際のところは、なんともいえません。 何故かというと、文献や本ごとに最初の人物が違うからです。ちなみに、領域を要素分割して応力解析を行うという方法は、既に1940年代に考え出されていたそうです。 しかし、当時、大きな問題を処理できる計算能力はなかったためか、計算機が出現する1950-60年代まで、具体的な応用例は見つかっていません。
■変分法■
有限要素法には、ベースとなる数学がありました。
17世紀ベルヌーイ(Jean Bernoulli (1667-1748))(click here)によって始められた変分法がそれです。
1697年、Jean Bernoulliは、NewtonやLeibnitzへ、BRACHISTOCHRONE問題(変分法の考えなしには解きにくい)を書いた手紙を送っています。
この問題は、球が位置Aから位置Bまで転がり落ちるのに必要な時間が、最小になる曲線を見つけ出すことにあります。
そして後に この問題は Newton、Leibnitz、そしてJean Bernoulli本人と彼の家族によって解かれています。
GEODESIC 問題 |
3次元空間にある2点間の距離が最小になる曲線を求める。 |
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ISOPERIMETRIC 問題 |
限られた長さの糸で輪を作り、それを平面上に置き、糸の輪の内側に出来る面積を最大にする輪の形を求める。 |
■弾性解析■
上で紹介したようにStraightforward的な問題は比較的簡単であるが、何を最小(or最大)にすれば弾性構造解析が行える支配方程式が得られるかは、かなり難しい問題です。
Castiglianoは、この何にエネルギー(or 仕事量(w))を与えました。
これによりCastiglianoの理論ができ、仮想仕事の原理(Method of Virtual Work or 最小仕事の原理)が生まれました。
仮想仕事の原理は弾性構造解析の代表例です。
また これらの方法を全てひっくるめてエネルギー法(Energy Method)とも呼ばれています。