Electromagnetics and Ham Radio
Inductance5
下図を見て下さい。ペア導線に+1[A]と-1[A]の電流が流れています。

導線の半径はa、2つ導線の中心間の距離はDです。磁束は、導線の間に右ねじの法則に従い発生します。 つまり、右手の親指が電流の向きで、残りの4本の指の向きが磁束方向になります。 このような条件においてAtの線積分の線Cは、 ペア導線から発生する磁束を全て捕まえるような閉ループでなければなりません。 つまり、下図のようなループが考えられます。

すると、積分オペレーター(tds)は簡略化されます。つまり、下に示す様な結果になります。

上図のループCがz軸と並行になったとき積分すればよいのです。 したがって、2次元空間での磁束Φは、下式で計算できる。

Φ=(最大のAz)×dz - (最小のAz)×(-dz)

磁界の分布は、上図の場合上下対称になっているので、最小のAzは、負の最大のAzになります。 ですから、

Φ=2×(最大のAz)
となります。

■2次元空間での自己インダクタンスの計算方法■
線状の閉回路での自己インダクタンスは、これまでに説明してきた方法で計算できますが、 線間の距離が線の直径とオーダー的に同等の値を有する場合は、線間を通過する磁束の決定には、 上で説明したように多少の技術的な配慮が必要になります。 まず、自己インダクタンスは、ペア導線が生みだす最大の磁束Φをその電流で割れば計算できます。 つまり、ペア導線に流れる電流をJとすると、 自己インダクタンスLは、下式で得られる。

集中電流のスカラー記号にJとIを使っています。ベクトルJから由来しているときと集中電流のときはJ、法則や定義の説明の その他の集中電流のときにはIを使っています。また、Jz(x)と記している場合は、分布電流を意味します。


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