Electromagnetics and Ham Radio
Experiment 7

■関数を決める■

これまでの実験結果をみると、キャパシタンスの関数は、f3によく一致していますのでf3を使っても問題なさそうです。 しかし、インダクタンスの実験結果と一致する曲線はありません。つまり、インダクタンスの関数を新しく作る必要が有りそうです。 作るといっても理論的概念からすると、以下の定数αとβの自由度しかありません。

\begin{eqnarray} f_{theory}=\frac{1}{\pi}{log}_e\left(α\left(\frac{D}{a}\right)+β\right) \end{eqnarray}

ここでもう一度関数の出どころを確認しておきます。 これまでに、境界要素法を使って算出した関数と導線の中心に電流および電圧を集中させた時に得られる関数を紹介してきました。 以下の表はそれらの詳細です。

関数 αの値 βの値 電圧電流の条件 関数が得られた位置
f1 1 0 導線の中心に集中 点A
f2 1 1/4 導線の中心に集中 点C
fpmax 1.6208 0.3083 導線に等分布 導線内の点
f7 1 -1 導線の中心に集中 点B
f3     導線表面のVおよびAzを一定 導線の表面

上表の“関数が得られた位置”に関しては、 Inductance14 または Capacitance14 を参考にしてください。
しかし、上式でLの実験結果を再現するには限界があります。 つまり、定数αとβの数値を変化しても上表の関数を用いてLの実験値と一致させることは出来ないということです。 特にD/a=2~3の範囲では、関数の線から大きく乖離しています。
そこで今回は、実験結果が正しい値と仮定し新しいインダクタンスの関数を作ることにしました。 まず、上図(Value of Function vs. D/a)を見るとインダクタンスの関数値は 関数f3より大きい値を示していて、f3に沿った値になっています。 また、LC/(με)のグラフから、D/a>10のときはインダクタンスの関数値はキャパシタンスの関数と一致する傾向にあります。 これらを考慮し以下のブースター関数(Δf)を考えてみました。もちろん、理論的ではありませんが。

\begin{eqnarray} Δf=\frac{1}{\pi} β{exp}\left(-α\left(\frac{D}{2a}-1 \right) \right) \end{eqnarray}


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