Electromagnetics and Ham Radio
Balun14
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■nanoVNAの出力するファイル■
nanoVNAには、測定結果の表示およびファイル出力のために2つのアプリケーションソフトがあります。 それらはnanoVNA.exeとnanoVNA-saver.exeです。 測定結果を保存およびアレンジするには、ファイル出力を表計算ソフトに読み込みインピーダンスやSWRの計算をするのが最も有効な手段です。 アプリケーションソフトのnanoVNA.exeは、S11の出力としてファイルに以下の3項目が格納されています。 周波数、反射係数の絶対値|ρ|、位相の角度θ[Degree] 反射係数は複素数ですので、ρ=U+jVで表します。 アプリケーションソフトのnanoVNA-saver.exe S11の出力としてファイルに以下の3項目が格納されています。 周波数、反射係数のU、反射係数のV アプリケーションソフトのnanoVNA.exe の場合、SWRは、SWR=(1+|ρ|)/(1-|ρ|)から即座に計算できます。 アプリケーションソフトのnanoVNA-saver.exeの場合、|ρ|=√(U2+V2)を事前に計算しておいてからSWRは計算できます。 では、ZX=R+jXはどうすれば得られるのか。 測定器に接続されている同軸ケーブルの特性インピーダンスをZ0とし、 同軸ケーブルの遠端に接続されている負荷の特性インピーダンスをZXとすると、反射係数と特性インピーダンスには以下の関係があります。

\begin{eqnarray} ρ=\frac{Z_X-Z_0}{Z_X+Z_0} \end{eqnarray} \begin{eqnarray} \frac{Z_X}{Z_0}=\frac{1+ρ}{1-ρ} \end{eqnarray}

またZ=ZX/Z0=r+jxと置くと、以下のようになります。ここに、R=r×Z0、X=x×Z0です。

\begin{eqnarray} ρ=\frac{Z-1}{Z+1} \end{eqnarray} \begin{eqnarray} Z=\frac{1+ρ}{1-ρ} \end{eqnarray}

アプリケーションソフトのnanoVNA-saver.exeから出力されたファイルでは、上の式を用いRとXを直接表計算ソフト(複素数の演算機能がある)で計算できます。 しかし、nanoVNA.exeでは、位相の角度を使ってUとVを下式で計算しておく必要が有ります。

ρ=U+jV=|ρ|exp(jθ)=|ρ|(cos(θ)+jsin(θ))


上式のθはラジアンでなくてはならないので、nanoVNA.exeのθにπを掛けて180で割っておく必要があります。 計算されたUとVを使って表計算ソフトで複素演算を続けることもできますが、以下の式からZ=r+jxを計算できます。

\begin{eqnarray} Z=\frac{1-U^2-V^2}{\left(1-U \right)^2+V^2}+j\frac{2V}{\left(1-U \right)^2+V^2} \end{eqnarray}


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