Electromagnetics and Ham Radio
Balun10
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■SWR vs. D/aのグラフ■
今回はインダクタンスとキャパシタンスをFEMとBEMで解析したきっかけは、以下の理由からでした。

1L、C、Z0に使われている関数fi(D/a)の意味および出所を明らかにする。
2 Gauss's Law、Ampere's LawによるNeumann型境界条件、Dirichlet型境界条件、および導線に電流、電荷を与えた解析で得られたLとCを実測で確認する。
3上記で得られたLとCを用い伝送線路の特性インピーダンスをベースに1:4電流バランの伝送線路を作る。
41:4電流バランの性能がD/aの関数になっていることを確認する。

上の4項目を実施するということは、SWR vs. D/aの調査を行うということでした。
調査はネットから始めたのですが、ブラウジングして気付いたことにコアーに巻き付けた伝送線路の特性インピーダンスについて注記している サイトは数える程で、ただバランの種類と製作過程を紹介しているのが主でした。ただし、バランは分布定数回路であるという記述は 多く在りました。一方で、コアーに巻き付けるベアー導線の間隔を気にしてなさそうなにも思えるサイトも多くあります。
色々と述べましたが、まず下図のSWR vs. D/aのグラフを見てください。

アマチュア無線の周波数帯をピックアップしてグラフにしてみました。7MHz帯のみ測定の関係上外れています。 HF帯でのバランの使用を考慮すれば、伝送線路のD/a=2.83~3.5の範囲であれば満足のいくバランができそうです。
測定を実施する前は、D/aの範囲は非常に狭いと考えていましたが、D/aに対し意外とロバスト性があることが判明しました。 1つ注意しなければならないのが、コアーサイズによって変化するAL値です。D/a=3.5と3.938にはFT-240#43を使用しました。 FT-140#43に比べるとAL値が3割ほど大きくなっているのでインダクタンスの影響を受けてSWRが下がっているかもしれません。 50MHz帯で1:4の電流バランを使うことはないので、話から除外してよいでしょう。
上のグラフを見て言えることは、バランの性能は、コアーに巻き付けた伝送線路のD/aに大きく左右されていることです。 SWRは、D/a=3.176で最小値を示しています。 この段階で言えることは、伝送線路の特性インピーダンスの値がZ0=100Ω付近にあることが予想されます。


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