Electromagnetics and Ham Radio
Balun09
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■測定■
測定にはRigExpertのAA-600を使いました。 測定方法は、ネットでもよく紹介されているようにZL側にインダクタンスフリーの抵抗200Ωを繋ぎ、 Zin側は長さ200mm程度の50Ωの同軸を経てAA-600に接続されています。 測定の周波数範囲は0~150MHzとしました。 測定項目は、周波数ごとのRSとXSです。 ZL側はZL=200+j0ですので、期待通りのバランだとZin側はZin=50+0jになっているはずです。 つまり、XSは周波数に関係なくゼロが望ましことになります。
ここでは測定結果からSWRを計算し2つの表とグラフを作成しました。 SWR vs. 周波数とSWR vs. D/aです。下図はSWR vs. 周波数です。 コーラル色の太い線は、D/a=3.176による値で最も良い結果を出しています。D/a=2.083とD/a=2.542は、バランとして役に立っていません。 関数f3によるとD/a=2.083はZ0=34.5Ω、D/a=2.542はZ0=86.4Ωと予測できます。 つまり、予測で100Ω以下の伝送線路はバラン製作から除外すべきです。 D/a=4.5(関数f3による予測値Z0=174Ω)の通信線ですが、特性インピーダンスから見ると目標の100Ωから大きく外れていますが、 SWR値はD/a=2.542に比べ良い結果を出しています。バランとしてはD/a=4.5以上の伝送線路も除外すべきです。

下表と下図は、アマチュア無線のHF帯(7MHz帯は7.5MHz)と50MHzの周波数範囲のSWR値を表示してあります。 ベストは、FT-140#43に巻いたD/a=3.176でした。次がD/a=3かD/a=3.5です。冒頭で紹介したバランは、Case 3のD/a=2.833です。 D/a=3.938の伝送線路のバランは、意外と良い結果を出しています。多分コアーにFT-240#43を使ったためと考えられます。 HF帯のバランとしては、Cases 1,2,7を除けば全て使えそうです。使える下限の周波数は、3.5MHz付近のようです。 この下限周波数は、コアーの選定と伝送線路の巻き数で決まっているようです。
市販されている電線で唯一使えるのが、Case 8のテフロン電線でした。テフロン電線は、絶縁被膜が薄く1:4電流バランには最適です。 しかし、ここで使ったテフロン電線の芯直径は0.51mmですので大電力には使えません。 D/aの評価は難しいですが、撚線(複数芯線)のテフロン電線でも良い結果が得られそうです。

Case D/a SWR at
f=7.5MHz
SWR at
f=14.25MHz
SWR at
f=21MHz
SWR at
f=28.5MHz
SWR at
f=50.25MHz
1 2.083333333 1.188153743 1.395247852 1.63094819 1.916948813 2.923125922
2 2.541666667 1.079675538 1.165851942 1.256785413 1.361717825 1.689314783
3 2.833333333 1.025123912 1.033744324 1.045187069 1.062235464 1.126359413
4 3 1.004012836 1.016360193 1.031228241 1.045947212 1.116618141
5 3.5 1.013695664 1.017215808 1.025715039 1.042390234 1.127635616
6 3.9375 1.023266021 1.038308806 1.0556224 1.079941741 1.168655637
7 4.5 1.075477579 1.135719226 1.198135566 1.273130676 1.487140475
8 3.176470588 1.007687231 1.002790958 1.008392681 1.020555135 1.076377522


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