Electromagnetics and Ham Radio
Offcenterfeddp 11

■厳密解のEz(z)と電流にcosine関数を使った場合■
ネットや書物をブラウジングするとI(z)にI(z)=cos(kz)を使った例が紹介されていました。 この電流は下図に示すように全長λ/2ダイポールの両端でゼロになり中央(給電点)で値が1になるような関数です。

繰り返しになりますが、この電流の式は、λ/4≧z≧-λ/4の範囲に分布しているのみに有効です。 まず、このcosine電流を下式に代入します。積分リミットの±hは±λ/4です。

\begin{eqnarray} A_z(\xi)=\frac{\mu}{4\pi}\int_{-h}^{+h}{I(z)\frac{exp\left(-jkr\right)}{r}dz} \end{eqnarray}

そしてAz(ξ)を下式の右辺に代入します。

\begin{eqnarray} E_z\left(z\right)=-j\omega\left(A_z+\frac{1}{k^2}\frac{\partial^2A_z}{\partial z\partial z}\right) \end{eqnarray}

積分と微分を繰り返すと電界Ez(z)とした以下が得られます。

\begin{eqnarray} E_z\left(z\right)=-30I_0\left(\frac{exp\left(-jkr_1\right)}{r_1}+\frac{exp\left(-jkr_2\right)}{r_2}\right) \end{eqnarray}

ここに

\begin{eqnarray} r_2=\left|z+h\right| \end{eqnarray}

\begin{eqnarray} r_1=\left|z-h\right| \end{eqnarray}

給電点の座標zを0から+hの範囲で指定しその座標値zを電流の式に代入した値をIfdとします。 そして上式の電界Ez(z)の式と電流I(z)の式を下式に代入し積分すると指定した給電点のダイポールアンテナの入力インピーダンスを計算することができます。 プログラム DIPOLEANT-EXACT-EZ-BY-COS.FORを作ってみました。 下式の入力インピーダンスの積分には6サンプリングポイントのGauss-Legendre法を使いました。

\begin{eqnarray} Z_d=-\frac{1}{\left|I_{fd}\right|^2}\int_{-h}^{+h}{E_z(z)I^\ast\left(z\right)dz} \end{eqnarray}

今回の場合、電流のI(z)は実数ですので複素共役はI(z)と同じになります。 給電点の座標z=0での結果は下表の通りで分割数NE=1でも十分な精度がえられています。NE=1とNE=10との差はRealで1.05×10-10です。Imaginaryで2.39×10-10です。

NEReal(Zd)Imaginary (Zd)
173.1296017942.54454728
273.1296017942.54454728
473.1296017942.54454728
673.1296017942.54454728
873.1296017942.54454728
1073.1296017942.54454728

また、文献を更に調査すると、電流にcosineを使って入力インピーダンスZdの厳密解の式を導こうとする過程で幾つか途中経過の式が有ります。 それによると下式を計算すると上と同じZdを得ることが出来ます。下式は無限級数を使うと厳密解を得ることができます。

\begin{eqnarray} Z_d=30\int_{0}^{2\pi}\left(\frac{1-cos(t)}{t}+j\frac{sin(t)}{t}\right)dt \end{eqnarray}

このプログラムCOS-SIN-INTEGRATION.FORで計算すると、 Zd= 73.12960179171674+j42.54454728397883 が得られます。Zdの値はプログラムを実行すると、ファイルCOSSININTE.DATに書き込まれています。


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