Electromagnetics and Ham Radio
Inductance22

■例題2-2: Az=一定を境界条件としてB(x)を得る方法■
例題1の結果から、導線の周囲のAz値は、大きく変動せず0.25~0.3の範囲でした。 そこで導線の周囲のAz値を一定の値と仮定して磁束密度B(x)を計算します。そして計算結果と下のAmpere's Lawで電流Iは簡単に計算できます。

電流がI=1[A]のとき磁束ΦはAzの2倍でした。つまり、磁束ΦはΦ=2×Azです。 ですから繰り返し計算で電流Iが1[A]になるAz値を探せばよいことになります。 実際の計算ではμ0=1を使い、境界条件として下図に示す様にAz=0.5を上側の導線に与え、 他方の導線には、Az=-0.5を与えてあります。

計算されたB(x)から電流Iを計算しその逆数(1/I)が電流I=1[A]の時の磁束になります。 微分方程式が非線形ですと、Azを変えながらIがI=1[A]になるまで繰り返し計算になります。 しかし、今回解いているラプラス方程式は線形ですので、1/Iが求めるAzになります。 もう少し説明を加えると、最初に計算された値をΦ1とI1とします。Φ1=2×AzですからΦ1=1です。 また、Φ1=LI1ですから、L=Φ1/I1です。 Azを変えて2回目を計算したとします。すると、Φ2=LI2です。この時I2=1が得られたとします。 Lは同じですから、以下が言えます。Φ1=1、I2=1です。

よって、Φ2=1/ I1となります。ラプラス方程式は線形ですか繰り返しは1回で済みます。
今回は、この問題のためにデータ作成プログラムを新たに作成しました。 それは SETUAZ.FOR です。このプログラムを実行すると、既知の境界値としてAzを指定できます。 境界要素法のプログラムは、以前と同じです。 次に、計算結果の読み取りを容易にするために、プログラム POSTPROCESS.FOR には、上に示すB(x)の線積分を計算する部分があります。 結果はファイル DELTAP.SOL に入ります。


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