Electromagnetics and Ham Radio
Experiment 11

■使った測定器の詳細■

アマチュア無線をやっているとアンテナアナライザーは、必ず1つや2つは持っているものです。 アンテナアナライザーですが、LC測定器としても使えます。また、アンテナアナライザーとして使っているnanoVNAも LC測定器として使えます。 古い測定器(1960年代)も使ってみました。LCの測定原理がなんとなく理解でき、測定値も信頼性が高く思えます。 真空管式ですので、使えるようになるまで約30分かかります。
以下は測定器の概略を示します。

測定器 名称 製造元 測定項目 周波数[Hz] 回路モード
1 DE-5000 DER EE LP, LS, CP, CS, R 1K, 10K, 100K オート
2 AA-600 Rig Expert RS, XS 0.1M to 600M 直列等価
3 RX METER
250-A
BOONTON RADIO CO. RP, -CP, +CP 0.5M to 250M 並列等価
4 Q Meter
QM-102B
横河電機 Q, L, C 0.5M to 50M 共振
5 nanoVNA nanoVNA Z, θS 0.01M to 900M 直列等価

DER EEのDE-5000は、テスト素子をクリップ位置でキャリブレーション出来るので、まずこれでキャパシタンスとインダクタンスを測定します。 この測定器は、直列か並列かも自動で判断してくれます。 BOOTON RADIO CO.のRX METER 250-Aは、シェーリングブリッジを使ってテスト素子の RPとCPを測定します。 負のCPをXP=1/(ωCP)に代入することによりリアクタンスが得られ、 そして、LP=XP/ωよりテスト素子のインダクタンスが計算できます。 Rig ExpertのAA-600は、アンテナアナライザーですがPCに接続するとシリーズのRSとXSを出力してくれます。 多分設定でパラレルのRpとXpを出力できると思いますが、シリーズへの変換はできるので問題ありません。 それらをベースにSWRや位相等、アンテナの様々な数値を計算できます。

横河電機のQM-102Bは、LC共振により直接インダクタンスを測定でき、信頼できるインダクタンスを提供してくれそうです。 しかし、今回のテスト素子のように値の小さいリアクタンスの場合、高い周波数(25MHz)で測定を行う必要があるため、 自己共振以下の周波数であるかをチェックする必要があります。このチェックにはRig ExpertのAA-600で確認しています。 BOOTON RADIO CO.のRX METER 250-Aと横河電機のQM-102Bは、 1960年代に製造された機器ですが、今回の実験用として満足できる精度を出力してくれます。 問題はテスト素子をつかむリード線をどれだけ短くできるかです。Rig ExpertのAA-600もリード線の問題が有ります。 マニュアルにはnanoVNAと同様に同軸ケーブルの較正の手順はありますが、無誘導抵抗を含むキットがありません。 したがって結局リード線を短くするのが測定誤差を小さくする最も良い方法です。 とにかく、今回の測定では余分なリード線に悩まされました。
RX METER 250-AQ Meter QM-102Bの発信周波数は、 無線機のスペクトラムスコープで読んでいます。
以下は、DE-5000AA-600を用いてのLC測定風景です。 下の写真の場合、導線は直径8mmのソリッドで スペーサーは1.02mmです。実験では4ケ所にスペーサーを入れます。 インダクタンスを測定する場合、測定器と反対側の端部はクリップでショートしています。 AA-600で測定する場合、M型同軸オスコネクターにリード線をはんだ付けし他端にはクリップを取り付けています。 nanoVNAの場合も同様にSMAとM型の変換コネクターを使って AA-600のときと同じクリップでLCを測定します。

DE 5000 L測定用短絡クリップ AA-600


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