Electromagnetics and Ham Radio
Dielectric-12
Page 12

■比誘電率を与える方法■
全ての要素には、物質番号(MATERIAL)が付けられています。それは、導線表面に一番近い要素が1で半径方向に2,3,4…と付与されています。上図のTRIANGLEサブ領域には空気を意味する0が与えられています。MID REGIONサブ領域には、上図の場合、外へ向かって5,6,7,…が与えられています。
現時点でのデータ作成プログラムは、MATERIAL=1と=2は比誘電率(EPSILONR)=FIRST、MATERIAL=3と=4は比誘電率=SECOND、MATERIAL=5と=6は比誘電率=THIRDが入ります。 MATERIAL=5と=6はペアー導線の密着性を向上させるための熱収縮チューブを表しています。 上で紹介したCase1の場合、FIRST=εr(エナメル)、SECOND=εr(エナメル)、THIRD=εr(熱収縮チューブ)が入ります。MATERIAL=7以上とTRIANGLEサブ領域は、比誘電率(EPSILONR)=ZEROか入ります。ZERO=εr(空気)です。

■要素の厚さを指定する方法■
導線の表面に接している要素の厚さは、DR(1)で指定します。その上の要素の厚さはDR(2)になります。導線から一番遠い要素の厚さはDR(NER)です。NERは半径方向の要素の数を意味します。現時点では、DR(1)からDR(6)まで自由に指定でき、DR(7)以上はDR(I)=Iの三乗となっています。これは、導線から遠いほど要素の厚さを大きくし無限大領域を再現するためです。

■境界での電荷Qと電束密度Dnの計算方法■
今回比誘電率を取り扱えるようにした有限要素法では、各節点での電位V(x,y)か計算された後、全ての要素に対し下式を計算し、アッセンブル作業を行うと、各節点での電荷Qが得られます。前にも言いましたが領域内部の節点でのQ値はゼロになります。キャパシタンスの微分方程式は定常ですから、内部節点に入った電荷はそのまま同量が出て行きます。ですので、領域の境界のみにQの値が残ります。この境界のQ値も全て加算するとゼロになります。遠点の境界節点での電束密度Dnは、ほぼゼロです。ですから、V=+05を与えた境界でのQとV=-0.5を与えた境界でのQ値は絶対値で同じになっています。

\begin{eqnarray} \iint_{D}\left[B\right]^T\left[E\right]\left[B\right]dA= -\left\{Q\right\} \end{eqnarray}


Preceding Page Next Page

Menu Inductance Capacitance Exp Z0 Coaxial Balun Dielectric Off center fed DP Helmholtz FEM BEM
Internet College of Finite Element Method
JR2XSO