Electromagnetics and Ham Radio
Dielectric-09
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Φ1.2mmのエナメル2本のみを撚線にした伝送線路を作ってLとCの計測を行ってみました。 これはバランの製作では使わなかった伝送線路です。ここで使用したエナメルの比誘電率を特定するために作製しました。

a [μm] エナメル厚 [μm] GAP [μm] D [μm] D/a L [μH/m] C [pF/m] Z0 [Ω]
600 25 50 1250 2.08333 0.323 164.25 44.3

伝送線路の断面は、下図のようになっています。

導線に接する要素とその周辺の要素の厚さは、下表のようにしました。また、比誘電率も下表にまとめてあります。 要素の分割方法については次の節で詳しく説明します。

物質番号 Layer 要素厚 [μm] 物質 比誘電率 εr
1 1st Layer 6.25 エナメル 3~4
2 1st Layer 6.25 エナメル 3~4
3 2nd Layer 6.25 エナメル 3~4
4 2nd Layer 6.25 エナメル 3~4
5 3rd Layer 50 空気 1.000586
6 3rd Layer 150 空気 1.000586
7以上 空気 1.000586

下は導線周辺の要素分割を示します。

更に拡大すると以下のようになっています。エナメルが4要素で分割されているのが分かります。

計算結果を下に示します。諸々の測定誤差を考慮するとここで用いたエナメル線の比誘電率は、3前後だと考えられます。 比誘電率の値を確実なものにするには、伝送線路を複数製作しなければなりませんが、 ここでは計算手法を紹介することが主目的ですので、ここらへんで止めておきます。


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