Electromagnetics and Ham Radio
Dielectric-06
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■1:1バランCase1のキャパシタンスを計算してみる■

□構造とキャパシタンス□
このバランは直径1.2mm(a=600μm)のエナメル線2本をΦ2mmの熱収縮チューブで2本の導線の密着性を施した伝送線路です。 この伝送線路の長さは、1000mmでした。 エナメル塗布の厚さは測定すると25μmで、Φ2mmの熱収縮チューブは熱を与えた後の厚さは270μmでした。

GAPは50μmに、D=1250μmですのでD/a=2.08333になります。 また、DE-5000でLとCを測定すると、L=0.358μH/m、C=150.92pF/mでした。 これらの測定値から特性インピーダンスは、Z0=48.7Ωになります。まとめると以下になります。

a [μm] エナメル厚 [μm] 熱収縮チューブ厚 [μm] GAP [μm] D [μm] D/a L [μH/m] C [pF/m] Z0 [Ω]
600 25 270 50 1250 2.08333 0.358 150.92 48.7

より密着性の向上を目的に、このペアー導線に撚りを掛けるとLCは以下の様になりました。

状態 (1本目) L [μH/m] C [pF/m] Z0 [Ω]
撚りを掛ける前 0.358 150.92 48.7
撚りを掛けた後 0.359 182.07 44.4

確認のためにもう1本同様なペアー導線を作りLCを測定してみました。

状態 (2本目) L [μH/m] C [pF/m] Z0 [Ω]
撚りを掛ける前 0.359 130.04 52.5
撚りを掛けた後 0.354 179.94 44.4

以上の2つの実験より、ここで取り上げたペアー導線のキャパシタンスはC=180[pF/m]のようです。 ちなみにエナメル塗布もなく熱収縮チューブもない場合、 GAP=50μmだった場合を想定して計算してみるとキャパシタンスは、C=96[pF/m]でした。


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