Electromagnetics and Ham Radio
Coaxial9
よって、分布電荷q(r)は、以下のようになります。

q(r)=Q2πa

上の式と-dV/dr=q(r)/εからr=0での厳密解V(0)を得ることができます。 まず、中心導体内においてq(r)が一定だとdV/drも一定でした。 ということは、-dV/dr=(V(a)-V(0))/aになります。
また、V(a)=(Q/(2πε))×loge(b/a)でした(π=3.14159...のパイです)。 これらを全て考慮すると、以下の左側の式が得られます。 磁気ベクトルポテンシャルも同様な手順で以下の右の式になります。

V(0)=Q2πε(1+loge(ba)) Az(0)=μI2π(1+loge(ba))

よって、Az(0)とV(0)を使った場合のインダクタンスとキャパシタンスおよび特性インピーダンスは以下で計算できます。

L=μ2π(1+loge(ba)) C=2πε1+loge(ba) Z0=60μrεr(1+loge(ba))

■計算例その1■
ということで、なにか計算をしてみます。 例えば 5D-2V の場合を取り上げ、a=0.7, b=2.4, ε=1, 集中電荷Q=1[C]としてみました。 分布電荷q(r)= 0.2273642になります。 芯線の半径を10要素で、絶縁体を30要素で分割しました。 編組線での境界条件はV=0です。
計算に必要なデータは、 SETPOLAR.FOR で作成されます。 データのファイル名は POLAR.DAT(電荷有りの入力データ) です。 有限要素法のプログラムは、 POLAR1D.FOR です。 計算結果は、ファイル POLAR1D.SOL(電荷有りのV) (Potential-1D-FEM-Charged)に入ります。 要素内のdV/drとGauss's LawによるQもファイル DERIVATIVE.SOL(電荷有りのdV/dr) に入っています。参考にして下さい。

次に分布電荷q(r)が無い計算を紹介します。計算には、同じプログラム POLAR1D.FOR を使います。上流側の境界条件の境界値がゼロ以外だと分布電荷q(r)が無い計算 だと理解してくれます。
計算に必要なデータは、 SETPOLAR-NO-CHARGE.FOR で作成されます。 この場合、分布電荷無しでr=aにNeumann境界条件を与えるので、 境界値としてD=-a2q/(2πa)= -0.1114を与えなければなりません(π=3.14159...のパイです)。 この場合の結果は、下図のPotential-1D-FEM-NO-Chargedです。
データのファイル名は POLAR.DAT(電荷無しの入力データ) です。
計算結果は、ファイル NOCHARGE.SOL(電荷無しのV) (Potential-1D-FEM-Charged)に入ります。 要素内のdV/drとGauss's LawによるQもファイル DERIVATIVE.SOL(電荷無しのdV/dr) に入っています。参考にして下さい。


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