Electromagnetics and Ham Radio
Balun03
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■電流バランに使った材料■
伝送線路トランスについてもっと情報を集めてからバランの製作と実験を行うべきでありますが、 ネットや書物およびこれまでに行ったBEM解析を参考に話を進めて行きます。 まずコアーは#43材にしました。コアーサイズは導線の大きさにあわせて、FT-114、FT-140、FT-240です。大きさでAL値が変化するのでちょっと心配です。 次が電線です。単芯線を使いました。BEM解析ではD/aを基準に関数fiを評価してきたためです。 単芯線のサイズは直径1.2mmのエナメル線、1.6mmの電線、0.8mmのインターフォンの通信線、0.51mmのテフロン被膜電線です。 参考までにテフロンの比誘電率はεr=2です。
最も重要なのが導線の絶縁被膜の厚さです。 直径1.2mmのエナメル線の場合、被膜厚さは測定すると25μmで、伝送線路にした場合D/a=2.083になります。 関数f3を使ってZ0=100にするには、D/a=2.73にする必要があるので直径1.2mmのエナメル線のままでは1:4電流バランにはつかえません。 実験ではD/a=2.083も参考に実験しました。 市販の絶縁電線を購入する場合は、 芯線の直径電線の仕上がり径 を見てください。 これらの電線を密着し伝送線路にした場合、電線の仕上がり径はDになり芯線の半径で割るとD/aが得られます。 市販の絶縁電線は、D/a=4以上が多いです。 ホームセンターで購入した芯直径1.6mmの電線の場合、D/a=3.9でした。 インターフォンの通信線は、d=0.8mm、D=1.8mmですのでD/a=4.5になります。 1:4電流バランには不向きですが、参考までに実験は行いました。 そこで今回はD/a=2.083からD/a=3.9の間を埋めるために熱収縮チューブ(εr=3~4)を1.2mmのエナメル線に追加的絶縁被膜として使いました。
出来上がった伝送線路は、コアーに巻き付けます。巻き数はFT-140を基準に最多の巻き数としました。 それは左7回、右7回です。これは今回作ったすべてのバランに共通です。 下表に8個のバランで用いた材料を示します。

Case 導線
1
導線
2
芯線
直径
[mm]
エナメル
被膜
厚[mm]
導線1の
追加被膜
厚[mm]
導線2の
追加被膜
厚[mm]
絶縁
被膜
厚[mm]
D/a コアー
FT-
???#43
関数f3
による予測
Z0[Ω]
1 e線 e線 1.2 0.025 0 0 0 2.083 140 34.5
2 e線 e線 1.2 0.025 熱Φ2
0.275
0 0 2.542 140 86.4
3 e線 e線 1.2 0.025 熱Φ1.5
0.225
熱Φ1.5
0.225
0 2.833 140 106
4 e線 e線 1.2 0.025 熱Φ2
0.275
熱Φ2
0.275
0 3 140 115
5 e線 e線 1.2 0.025 熱Φ2W
0.575
熱Φ2
0.275
0 3.5 240 139
6 電線 電線 1.6 0 0 0 0.775 3.94 240 156
7 通信線 通信線 0.8 0 0 0 0.5 4.5 140 174
8 TP線 TP線 0.51 0 テ線 テ線 0.15 3.176 114&
140
124

e線=エナメル線(ウレタン)
熱Φ2=2mm熱収縮チューブ
TP線=スズメッキ軟銅線
熱Φ1.5=1.5mm熱収縮チューブ
テ線=テフロン被膜の電線
熱Φ2W=2mm熱収縮チューブが二重になっている


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