One Dimensional Finite Element Method
Wire and Chain-5

■入力データと計算方法■
ファイルWIRE0.DATは ProgramWIRE3.FORのSUBROUTINE INPUTで取り込まれます。 そして SUBROUTINE INPUT を見ると次の様になっています。

行目 変数名 意 味
1 NE 要素数
2 DOMAINL 領域のx方向の全長
3 WDENSITY Wire の単位長さ当りの質量
4 TXMAX,
TXMIN,
TXSTEP
3つの実数があります。 これらが計算の手順を示しています。 微分方程式は非線形ですから z(x) の推測値が必要ですよね。 一番簡単なz(x)の推測値として両境界点を直線で結ぶ線が考えれます。 このとき Wire の Tension は無限大になりますよね。 そこで計算方法として まず 大きい値の Tx (TXMAX) と直線のguessのz(x)で解析を行い z(x)を得ます。 この場合、少ない繰り返し数で、解がえられます。 次のステップとして Tx から少し小さな値(TXSTEP)を引いて 計算されたばかりのz(x)を使って解析します。 この計算を Tx=TXMIN まで行います。
5 Z1 x=0 でのz座標値
6 ZN x=DOMAINL でのz座標値

入力データでは、Z1=0,ZN=10となっていますので注意して下さいね。 Program WIRE3.FORを実行すると、 計算結果は SOLUTION.FEMSUMMARY.FEMの2つのファイルに入る様に設計されています。 Excel で容易に読める様にフォーマットしてありますので試してくださいね。

Program WIRE3.FORを見ると他に幾つかの変数名が使われています。 以下にそれらの変数名と意味について書いておきました。 前ページと重複している物も有ります。

Return
変数名
意味
TX x 座標軸方向の張力
TZ z 座標軸方向の張力
SUMTZ 節点1のTZと節点NNODEのTZ
WOW GW*WL
GW WDENSITY*GRAVITY=ワイヤーの密度と重力加速度との掛け算 WDENSITY*GRAVITY
WDENSITY ワイヤーの密度
GRAVITY 重力加速度
WL ワイヤーの長さ
DEPTH 両境界を結ぶ架空の直線から測定した垂れワイヤーの深さ
PARABOLIC ワイヤーの垂れが2次曲線とした場合のz座標値
TENSION TS(I)の事でI節点を持つ両要素内の張力の平均
TS-UP 要素1内の張力
TS-DW 要素NE内の張力
L-OF-WIRE ワイヤーの長さ
W-OF-WIRE ワイヤーの重量
%ERROR SUMTZとW-OF-WIREは同じになるはずですが その両者の誤差
ITERATIONS プログラム内で設定した誤差をクリアーするまでの繰り返し計算回数

次に入力データファイルのWIRE1.DATを見て下さい。 要素数=60、領域の水平方向の長さ=60cm、Wire の質量=0.3571428571429grams/cm、TXMAX,TXMIN,TXSTEP=20grams, 4.grams, 1.gram となっていますね。 プログラムの中で 重力は、1 としています。 境界条件は、Z1=0.,ZN=0. となっていますね。

■計算例と実測■
この手の実験は簡単ですので やってみることにしました。 上で説明した材料は ホームセンター等で買える chain です。 全長=112cm、全質量=40grams でした。 壁に長さ60cmの水平線を描き線の両端にchainの両端を画鋲で吊るしました。 すると最初のページで紹介した様に chainは曲線を描きます。 この実験では chain の最大深さは、約43cmになりました。 この様な状況を実現するには Tx=5.228grams になっていることが 計算からわかりました。 このときの結果を下図に示します。計算結果の半分を表示しています。 実験と計算結果は よく一致していますね。 計算には上のデータと同じWIRE1.DATを使いました。 図をクリックするとExcelで書かれた実験結果が得られます。


BACK NEXT Two Dimensional FEM

Menu View Helm wrm Lin Element Rmrk Vari Para Non-L Wire
Internet College of Finite Element Method