■Summer Session 1977■
夏も普通の学期と同じように科目を受講し単位をとることが出来ます。ただし、夏季講座は学期に比べ期間が短い
ため(学期は14週間、夏は12週間)1週間の授業時間が少し多めになっています。しかし、受講の総時間数
は学期と同じなので単位数に違いはありません。夏季講座を利用すると、通常より速く卒業することが
出来ます。
ここで、2年間で大学を卒業したNさんについて紹介しておきましょう。彼は日本の中学を出て就職し数年後
アメリカに来ました。大学で勉強したいというこでアメリカの高校に入学し1年で卒業しました。その間、
大学の単位もいくつか取ったそうです。そして、私のいる大学にきて学期で21単位、夏季で16単位取り
2年で大学を卒業してしまいました。在学中は大学のカフェテリアで働き学費を稼いだそうです。
私が彼に”たくさん科目を取っている上に働いていたら勉強するひまがないでしょう”と聞くと、
彼は”授業を受けている間に勉強します”と言っていました。でも宿題をやる時間は必要ですけどね。
上には上がいるんだなと関心しました。私も少し彼の真似をすることにしました。
ということで私も簡単な仕事をしながら夏季講座を受けることにしました。まず、取る科目は、以下に
決定しました。
内訳を説明すると、代数学(MTH219)、微分方程式(MTH242)、テニス、そしてゴルフです。MTH242は工学部からの必須科目
でテニスとゴルフは保健体育の一部で大学からの必須科目です。テニス・ゴルフ以外にランニングやボーリングが
有りました。夏季講座の登録が開始されると直ぐ定員に達するのがボーリングです。その次がテニスとゴルフです。
登録に遅れるとランニングを取ることになります。ランニングは定員が無制限だったみたいで、大勢の人が走っていました。
代数学は、今後数値計算で役に立つと思い取りました。数値計算では、常微分方程式や偏微分方程式を離散化する
という作業が有ります。離散化された微分方程式は、連立方程式になりこれを解くと近似解が得られます。MTH242は、
常微分方程式の解き方を学ぶ最初のコースです。1階、2階、連立微分方程式の解法や非線形微分方程式
の存在と厳密解を得るまでのプロセスを学びます。
授業料の請求書は、以下のように二つに分離されて送られてきました。
夏季講座の場合、1単位40ドルになっています。通常の学期では600ドルで私の場合16単位取っていましたから、600/16=37.5ドル
ですから夏は少し高めの授業料になっているようです。通常の学期で16単位以上取っても授業料は同じ600ドルですから
夏に単位を取るのは経済的でないかもしれませんね。
成績は、下に示すように2つの数学ともAでテニスとゴルフがSでした。SはsatisfactoryのことでOKということです。このSは
平均成績に加えられません。
さてこの夏は生活費を稼ぐために仕事をしてみました。仕事を探すには、まず大学のSutudent Unionに行きます。そこへ行くと
仕事を斡旋してくれる事務所が有ります。斡旋してくれると言っても何もしてくれません。ただ、仕事の内容と依頼者の電話番号
が壁に貼ってあるので、それをメモし家に帰り電話しなければなりません。
留学生はフルタイムで働くことは許可されていませんが、ハーフタイムだと大学内
に限って働くことが許されています。また、小さな仕事なら大学外でも問題ないようです。斡旋してくれる仕事として、庭の
芝刈りや庭の手入れ、カフェテリアの皿洗い、ベビーシッター等です。私は、芝刈りと庭の手入れの仕事をやることにしました。
私は3軒の民家から仕事をもらうことができました。1軒目は芝刈りのみ、2軒目は庭の手入れと家の中の清掃、3軒目は庭の手入れのみ
でした。芝刈りの仕事は約2時間で終了します。これを週に1回夏中行います。もらった金額は1回で3ドルでした。2軒目は、
庭の草むしりや花壇の手入れでした。庭に設置するブランコの組み立てもやりました。このブランコはここの家の2歳の息子が
使うことになっていました。庭の仕事が終わったら家の中の清掃です。たまには子供のおもちゃ作りもやりました。またある日
庭で仕事をしていたら”ベビーシッターをお願い”ということで子供の世話をすることになりました。こどもをあやしていたら
おむつとれてしまいむきだしになってしまいました。そのとき発見したのですが既に皮がむけていました。話には聞いていたの
ですがイスラエル人の子供は生まれて直ぐに皮をむく手術をする習慣があるそうです。この家の人はイスラエル人でしたので、
噂は本当だったのだと勉強になりました。日本ではそのような習慣はありません。小さいころ皮をむく練習をするのみです。
この家での仕事も週に1回で夏中行います。1回の作業時間は週によって違ったので
時間給でした。ここの家の場合、2ドル/時間でしたので1軒目よりかは率が良かったです。3軒目は庭の手入れでした。庭で
作業していると家の中から奥さんが出てきて、私にやたらと話しかけるのです。”何を勉強しているの”とか”職は決まったの”
とか聞いてきました。多分この方は話し相手が欲しくて庭の手入れに学生を雇ったんだと思います。
これらの仕事から得られる収入は、確か20ドル/週だったと思います。この金は丁度1週間の食費分位だったと記憶しています。
ところでこの夏の住まいですが、昨年と同じ家に間借りしました。この家には、私以外にアメリカ人が5人ほど住んでいました。
彼らとは夕食後よくモノポリーをやりました。ただのゲームなのに彼らはかなり興奮します。どうしても1人が全ての財産を
獲得するまでゲームを続けます。ということで、夏も終わり次の学期の準備に取り掛からなければなりません。
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