■各方法の特徴■
ここでは、5つの方法を試し下表に要点をまとめてみました。プログラムの行数で一番少なかったのはCardano法でした。これらの方法のパフォーマンスを調べるために、節点数が165の計算を行い、各節点に費やされる繰り返し計算の平均値を計算しました。繰り返し数の+3は、ベクトルの計算による回数です。
主応力のみの計算でよければ繰り返し計算の無いCardano法が最も優れた方法と言えます。しかし、主応力の方向を示すベクトルの計算も必要となると、どうしても繰り返し演算を行うことになってしまいます。Jacobi法とPower法は、主応力とベクトルを同時に計算してくれるので便利です。しかし、Power法は収束速度に問題があります。
最も期待していなかったBisection法がかなり良い性能を示してくれました。三重根も問題なく計算します。この点についてはJacobi法も同じです。その他の方法は、三重根で総崩れになってしまいました。Bisection法の繰り返し計算数は、主応力の計算精度の設定値に依存します。
繰り返しで主応力を計算する方法で、最も良かったのがJacobi法でした。次がNewton法でした。最も安定している繰り返し計算方法は、Bisection法と言えるかもしれません。やはりベストは繰り返し演算の無いCardano法ですかね。
主応力の方向を示すベクトルですが、ここではJacobi法、Power法、Inverse Power法で計算しました。全てが同じベクトルを計算してくれていますが、順番が違ってでることがあります。Cardano法、Jacobi法、Bisection法では主応力の計算修了後、Inverse Power法でベクトルを計算しましが、主応力のちょっとした違い(13桁目)でベクトルの出る順番が違って出てきます。こに件については時間を見て調査してみます。とりあえず、主応力に関しては全ての方法が12桁目位まで同じ結果を出しています。
方法 | 行数 | 繰り返し計算数 | ベクトルの計算 |
---|---|---|---|
Cardano | 57 | 0+3 | Inverse Power |
Jacobi | 107 | 6 | Jacobi |
Newton-Raphson | 119 | 10+3 | Inverse Power |
Power | 116 | 1066 | Power |
Bisection | 64 | 51+3 | Inverse Power |
プログラム名 | 機能および目的 |
---|---|
3DSTATIC8QFXCOMBINE.FOR | 弾性解析を行う。8節点ヘキサと27節点ヘキサ要素が使用可 |
POST3DTAUX.FOR | 3DSTATIC8QFXCOMBINE.FORの計算結果から節点の応力テンソル、主応力、方向ベクトルを計算 |
SOILD-OPTIMIZERX.FOR | 剛性マトリクスのバンド幅を狭くし、3DSTATIC8QFXCOMBINE.FORでの計算時間を短縮 |
WEBSS3D8.FOR | 8節点ヘキサ要素でビームの入力データを作成 |
WEBSS3D27.FOR | 27節点ヘキサ要素でビームの入力データを作成 |
PSST.FOR | 1応力テンソルに対し5方法で主応力と方向ベクトルを計算 |
PRINCIPALSTRESS.FOR | POST3DTAUX.FORの計算結果の応力テンソルに対し5方法で主応力と方向ベクトルを計算 |
CM.FOR | 式α3-β=0の3つの解を計算し、表計算データ作成 |
CUBICROOT.FOR | 三次方程式をCardano法で計算し、表計算データ作成 |
これで3次元線形弾性解析の計算例はおしまいです。次は、3次元流体を紹介します。
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