■Groundwaterについて■
1970年代に入って地下水の流れ解析へ有限要素法が応用される様になりました。NASAで開発されたFEM構造解析のプログラムをベースにして、地下水流れ解析のプログラムは作成されたそうです。
地下水流れ解析の支配方程式と熱拡散方程式(Heat equation)とは、類似点が多く、沢山の熱に関する厳密解がそのまま地下水の流れ解析に流用されています。つまり、地下水のPiezometric head(水頭)と熱解析の温度とは、深い関係にあるということです。また、未知数が1つ(水頭)ですので、構造解析(未知数=次元数)に比べ有限要素法のプログラムも、簡単に作成できます。簡単な分、より複雑な地下水流れシステムの解析を試みたため、現在のプログラムは複雑になってしまっています。
私は、1980年の夏から1983年の冬まで、University of Arizona (UofA) にいました。そこで地下水の流れ解析の知識を沢山吸収しました。地下水の研究において、UofAは、かなり大きい組織をもっています。多分、今でもそうだと思います。ここで紹介する内容もUofAで学んだ事柄が沢山含まれています。
地下水の研究は、最初、石油の埋蔵量の予測のために行われました。UofAでの授業の参考書の1つにOil Wellに関する本が有りました。この本には、沢山のダイアグラムが付いていて、これらを使いWellの規模を予測できます。当時、Oil wellに関する技術は、国(U.S.A.)により厳重に守られていて、埋蔵量に関する計算方法までもが、特許になっていたそうです。
Oil Wellで培われた技術は、その後、地下水の流れ解析に応用されています。いまでも、井戸水に関する技術は、Oil Well技術のコピーといえます。
地下水のことは、ground water ( or subsurface water) ですが、地下水の流れを研究している人達では、地下水のことをgroundwaterと書き、地下水に関する学問の代名詞として使っています。一時期、地下水の研究家の間で、ground water にするかgroundwaterにするか、もめたこともあったと聞いています。
地下水の研究は、さらに発展し、近年(20年前)では地下水の確保だけでなく、ケミカルによる地下水の汚染の予測に使われています。
ここでは、Groundwaterの基礎知識と数値解析について紹介します。
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