Treatment of Free term Integrals
境界要素法の理屈と数値計算方法ならびに問題点は、理解して頂いたでしょうか。ここからは、境界要素法のキーになっている部分を取り上げ、詳しく説明して行きたいと思います。まず、Free Term C(ξ) に焦点を当ててみます。
境界要素法の論文や本の中に、疑問を感じる説明に遭遇することがあります。その中の1つが、ここで取り上げる Free Term と呼ばれている項です。
これまでの数値式の展開でいうとC(ξ)がそのFree Termです。
論文等によると、C(ξ)の計算に使うF(x,ξ) は、Kernel functionのG(x,ξ) よりも特異性が強く、Source point を含む要素上での積分は、Improper(不適当)であると述べています。結果的に、C(ξ) については、あいまいな説明ですませています。
これまで説明してきた通り、F(x,ξ) は、G(x,ξ) よりも安定した関数です。つまり、F(x,ξ) は問題なく積分でき、結果的にC(ξ) が得られます。理由は、Source point の近傍では、R・n=0 になるからです。ここでは、Laplace equation と Navier's equation について、C(ξ) が精度良く計算できることを紹介します。
また、C(ξ) をあいまいに処理したために起きているに関連するもう一つの疑問を感じる説明があります。それは、境界要素法の Interior equation から Boundary equation を導いていることです。ここでは、正しい境界要素法の Boundary and Interior equation の導き方を紹介します。この疑問は、C(ξ)が正しく説明されていなかったために起きたことです。
| Laplce Equation の C(ξ) の安定性について説明します。F(x,ξ) は、singular point 付近(境界上)で数学的に安定な関数であることを明らかにしています。 |
| ここでは、極限を使ってInterior equation から Boundary equation を導き出すことは出来ないことを紹介します。 |
| Navier's Equation の Cij(ξ) もLaplace 式のC(ξ) と同様に、問題なく計算できることを紹介します。 |