■導線の表面の磁束密度を境界条件とする場合■
これまでは、導線の断面に電流が均等に分布している場合の計算を紹介してきました。
もう一つの計算方法として、導線は計算領域の外(exterior)として扱い、導線の円周面に
磁束密度Bを与えて解く方法を紹介します。
計算結果は、書物等に紹介されている近似式に近くなると考えられます。例えば、下式の
自己インダクタンスの近似式です。詳しいことは、John D. Kraus の
Ampere's Lowによると導線の中心からR離れた所に、導線を中心とする円を描き、その円周上に沿って
B・tの線積分を行うと、磁束密度Bとして以下が得られます。
上式の分母は、円の円周長(2πR)になっています。上の式は、円周上に磁束密度が等分布に与えられて
いることに成ります。
Rを導線の半径aとして、下図に示す様に導線の表面に境界条件として上式のBを与えます。
図の下の導線には、-Bを与えます。
前回と同様に、I=1 とします。
そして、Iが、半径(a)=1 の導線の表面を等分布に磁束密度が発生しているとします。
すると、表面(s)の単位長さ当たりに流れる電流は、B(s)=1/(2×π×a) になります。
導線の表面のBが一定と言う仮定は、もちろん近似的ですが、境界要素法の利点を上手く利用できます。
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